塗装工事業の損害保険

今月のご相談事例などを紹介します。

兵庫県の法人E様

兵庫県の塗装工事業のお仕事をされている法人のE様。

塗装工事業なので、塗装工事中に近隣の家や車などに塗料が飛散した。足場が崩れて物損事故や人身事故となったなどの塗装業の特徴的な賠償事故リスクや、高所からの落下など従業員や協力会社(下請)の業務災害につながる恐れから、大きな損害リスクの可能性があるとの事でお問い合わせをいただきました。                             

弊社からは塗装工事業向けに数パターンのお見積りを何度かご案内しながらE様のご意見を伺いつつ補償内容と特約を調整し、ご契約をいただきました。お選びいただいた種目は損害賠償リスクに備えて統合賠償責任保険ビジサポ工事の保険、従業員や協力会社のおケガのリスクに備えて労災あんしん保険のご契約となりました。

塗装工事業の賠償責任事故や労災事故にはどのような種類がある?

塗装工事は、建物や構造物を美しく長持ちさせるために不可欠な作業ですが、同時に様々なリスクも伴います。ここでは、塗装工事業において発生する可能性のある賠償責任事故と労災事故の種類について、ご紹介します。

  • 賠償責任事故の例
  1. 高所作業からの墜落による通行人の負傷・死亡事故
  2. 塗料の飛散による近隣住民の車や建物への付着事故
  3. 床や壁の破損をさせてしまう建物の損壊事故
  4. 塗料引火による火災事故
  5. 塗装後の不具合による建物の損壊事故
  • 労災事故の例
  1. 高所作業からの墜落による大怪我や死亡事故
  2. 塗料の吸引や皮膚への付着による健康被害
  3. はしごや足場からの転落による怪我や死亡事故
  4. 重機による挟み込みによる怪我や死亡事故
  5. 運搬中の資材の落下による打撲

このように塗装工事業には様々な事故リスクがあります。

尚、労災事故には様々な事故の型があります。気になる事業者様は下記リンクの厚生労働省(職場の安全サイト)で労働災害の事例について、発生状況や発生原因そして対策をイラスト付きで紹介されていますので見てみましょう。

塗装工事業に必要な損害保険とは?

塗装工事業の損害保険

塗装工事業に必要な損害保険には、いくつかの主要な種類があります。塗装工事業で必要とされる保険は、事故や不測の事態から事業主、従業員、第三者を保護するために重要です。必要な損害保険※は次の通りです。

  1. 賠償責任保険
  2. 建設工事保険
  3. 労災上乗せ保険※(従業員、協力会社(下請)がいる場合)
  4. 所得補償保険(個人事業主または小規模経営者の場合)

※社有車、事務所、会社特有の資産である機械の動産等の損害保険は除いています。

プロ代理店が損害保険と特約の重要性を教えます!

塗装工事業の損害保険

塗装工事業者が注意しなければならないのは、損害保険の基本補償でどこまで対象なのか?特約はどこまで対象なのか?を把握しておくことです。せっかく損害保険に加入をしても、特約を付けていなかったので、「対象外事故で全額、事業者の負担」となることもあります。

今まで、事業者の勘違いにより、保険が出なくて困ったと言う相談も多く受けてきました。その中でも圧倒的に多いのが賠償責任保険です。事業者がよく分からずにとりあえず安価な賠償責任保険に加入していたが、重要な特約の付帯が無かったので対象外事故となり、困ったとなるのです。保険料のお安い商品には何かあるのでは?補償が手薄いのでは?と思われて良いかと存じます。

損害保険には様々なリスクに応じた特約がありますが、一般の人には難しい名称、理解しにくい内容が多岐にわたります。そこで良く分からない名称、理解しにくい内容の為に、特約を付保する、付保しないことで悩まれる事業者様が多いのですが、特約付保について判断のポイントとしては次の2つです。

  1. 少しでもその特約の損害リスクがあるなら付帯する
  2. 特約がよくわからないなら、自分で判断せず担当の代理店さんと相談

 

このようにすると良いでしょう。尚、弊社がお客様へ良くあるアドバイスのケースとしては、お客様が特約の付帯を迷ったら、付けておくようにおすすめしています。何故かと言えば特約をつけておくことによって、事故が起きた際にあの時に付けておいてよかったとなるからです。

 

続きまして、それぞれ損害保険のおすすめ特約をご紹介します。

損害保険の基本補償と特約とは?

塗装工事業の損害保険基本補償と特約

おすすめの賠償責任保険の特約3選

塗装業向け賠償責任保険の補償について、特約の付帯を選択するのは非常に大切です。契約者が「事故が起きているのだから加入している賠償責任保険で対象になるだろう」という安易な考え方は特約の付帯状況によって対象となる場合とならない場合がありますので注意が必要です。

塗装工の事業者は、この補償内容はどのような事故が対象になるのか?を掴んでおくことも大切ですが、特約には専門用語が多く契約者がその特約を理解するのは、難易度が高いと思います。よって、専門家であるプロの代理店には、ある程度おまかせのプランニングをしてもらうと良いでしょう。

弊社がおすすめする塗装業におすすめの賠償責任補償の特約は次の通りです。

賠償責任補償の特約 1 2 3
施設業務 対物超過復旧費補償特約 財物損壊を伴わない使用不能損害補償特約 被害者治療費等補償特約
生産物 生産物・仕事の目的物自体損壊補償特約 対物超過復旧費補償特約 財物損壊を伴わない使用不能損害補償特約

特に「対物超過復旧費補償特約」は全ての小規模事業者・個人事業主の皆さまにおすすめします。理由として良くあるこんなケース。

足場組立遂行中に誤ってエコキュートを壊して全損にしまった。ところが、そのエコキュートは16年以上経過しているもので、原価償却率から時価額は10%程度しかない。新しく購入(原状復帰)するには60万円掛かるが、賠償責任は10万円となるので保険からは10万円しか払われないと言われてしまい差額の50万円をどうするのか困ってしまった。お客様の物を壊してしまった時に、原状復帰するには60万円するものを現在価値の10万円で勘弁してくださいとは言いづらいかと存じます。

大手企業であれば、差額の50万円は必要経費で処理してをして解決できても、小規模事業者・個人事業主の皆さまは大きな痛手となることが考えられます。対物超過復旧費補償特約はそんなときに役に立つ可能性があります。

おすすめの労災上乗せ保険の特約3選

塗装工事業の従業員や協力会社(下請)の皆さまへの労災上乗せの補償について、特約の付帯と選択は非常に大切です。よって、専門家であるプロの代理店に、ある程度おまかせのプランニングをしてもらうと良いでしょう。

弊社がおすすめする塗装工事業におすすめの労災上乗せ補償の特約は次の通りです。

労災上乗せ補償の特約 1 2 3
賠償責任補償・費用補償 使用者賠償責任補償特約 雇用関連賠償責任補償特約 法律相談費用
怪我・業務上疾病の補償 入院・手術補償 休業補償特約 医療費用補償

とにかく、労災事故で事業者が注意しなければならないのが、従業員と協力会社(下請け)の皆さまへの安全配慮です。万が一、お仕事中に後遺障害認定されるほどのお怪我を負った場合には損害賠償請求を受けることがありますので、賠償責任補償に関する特約は労災上乗せ保険にはマストです。

この他に、所得補償特約、天災危険補償、入院一時金特約などがございます。

おすすめの建設工事保険の特約

塗装工事業の建設工事保険は、その事業者にとって必要か不要か見極める必要があります。よって、専門家であるプロの代理店に、ご相談されると良いでしょう。

弊社がおすすめする塗装工事業におすすめの建設工事補償の特約は次の通りです。

建設工事補償の特約 支払保険金限度額増額特約 メンテナンス期間に関する特約

おすすめの所得補償保険の特約3選

塗装工事業の所得補償保険は、個人事業主にはおすすめですが、政府労災などの他にも社会保障の充実している会社の従業員はその限りではありません。所得補償保険は社会保障の手薄い個人事業主向けになりますが、第三分野の医療保障や共済保障など他の補償等で重複していても多少、多く掛けておくのはむしろおすすめです。しかしながら、補償の掛けすぎにはムダが生じる可能性があり注意が必要となりますので、その事業者にとって、どの程度が適正になるのか?専門家であるプロの代理店に、ご相談されると良いでしょう。

弊社がおすすめする塗装工事業の事業者におすすめの所得補償保険の特約は次の通りです。

所得補償の特約など 補償期間(てん補期間) 補償対象範囲 傷害による死亡・
後遺障害補償
おすすめの補償内容

3か月または1年

入通院・自宅療養
1000万円以上

この記事のまとめ

塗装工事業の損害保険

いかがでしたでしょうか?塗装工事業に必要な損害保険※には上記のように4種類(法人は3種類)あると紹介しました。その4種類(法人は3種類)の中にある特約には多くの種類がございますが、全て必要という事ではなく、特約の必要度合いは事業者それぞれの状況や規模によって補償内容も変わります。

※社有車、事務所、会社特有の資産である機械の動産等の損害保険は除く。

尚、気になる保険料は、売上高、補償内容やオプション、補償金額、補償範囲、事業者のご年齢などによって異なります。具体的な商品や料金について気になった事業者さまは、弊社に直接相談されることをおすすめします。

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今回、ご紹介をしました塗装工事業のお客さまだけでなく、今月も多くの事業者さまからのお問い合わせをいただきました。個人事業主、または会社をはじめて間もない事業者さまや、損害保険に加入をしているけど今一度、見直しをお考えられている事業者さまは、今回の事例をご参考にされてみてください。

また、塗装工事業の損害保険について気になる商品がございましたら下記リンクからお問い合わせください。プロ代理店が貴社さまのお悩みを解決します!