弊社のご契約では自動車保険での損害賠償金が1億円以上となったのは過去2件。対人と対物は無制限となっておりましたので、契約者が負担することはありません。中小企業の場合は保険金の支払いの他に、社会的信用が失墜する恐れがありますので、事故を起こした後の被害者などへ対する対応を気を付けなくてはなりません。

運送会社の自動車事故による損害賠償金と社会的信用

2008年にT運送会社が起こしてしまった高速道路でのタンクローリー横転事故。T運送会社は昭和50年、運送業務を目的に創業。一般貨物輸送のほか石油燃料の輸送などを手掛けて業容を拡大し、タンクローリー6台を含む46台のトラックを所有し約2億円の年間売上高があったと言う。

2008年8月、東京都板橋区の首都高速5号線熊野町ジャンクションにて、T社のタンクローリーが横転し炎上する大事故が発生。この事故の影響で高速道路高架部分の架け替え工事や、近隣マンションの外壁被害などで多額の損害賠償補償の問題を抱えていたといいます。その損害賠償金額はなんと32億円

事故に伴い、本社営業所の車両使用停止、運行管理者資格者証の返納命令などの行政処分を受けながら、以後も事業を継続していた。しかし事故の影響で業績不振を招き、23年12月には本社不動産を売却するなど経営悪化が露呈し、24年度に事業を停止していた。という記事ですが、事故の影響で仕事が減り倒産をしたのか?損害賠償金額が支払われなくて倒産となったのか?どちらでしょうか。

自動車保険の対物賠償の保険金額はどうだったのか気になるところです。対物賠償責任保険の保険金額は無制限で入っていたのか?または、1000万円、2000万円等という契約内容だったのでしょうか?

もし、貴方が運送会社との取引のある会社の代表だったとして、このような大きな事故を起こされてしまった会社との取引を継続されるでしょうか?

大きな事故は社会的な信用を失うことがあります。中小企業の会社で重要なのは事故を起こさないように徹底すること、そしてもし起きてしまった時の為に経営再建が出来るように損害保険契約をしっかりとしておくことでしょう。