個人事業主の皆さまの損害保険お引受けについて

「教えて!損害保険」では中小企業法人・個人事業主の皆様向け商品をご紹介しています。おかげさまで現在では1日に定休日を除いて約3~5件(月平均60~100件)程のお問合せ件数です。とてもありがたいことです。
ところが、お問合せから損害保険のご契約となりますと月平均で5~10件程となります。何故こんなに少ないのでしょうか?もちろんお客さまの意向に沿えなかったなどの理由の他に、当社からお断りをしているケース(理由は、職種、売上高、過去の事故など)が圧倒的に多いからなのです。
折角お問合せをいただいても残念ながらお引受け、ご案内ができない個人事業主の方が多いのです。
- 今まで保険加入なしでやってきたけれど個人事業主は損害保険の加入がこんなに困難とは思ってもみなかった。
- サラリーマンを辞めて事業主として起業したのに特殊な職業という理由で損害保険に入れないなんて。
- 何処へ問合せをしても断られる。個人事業主ってこんなに信用が無いの?
上記の言葉は実際に弊社にいただいた個人事業主の皆様の声です。
個人事業主の皆様は損害保険の加入(特に賠償責任保険)は敷居が高いことがあります。その高いハードルを越えるにはどうしたら良いのかを教えます。
まずは信用が第一、問合せの際には紳士に低姿勢で
基本的に事業向けの賠償責任保険は保険会社の示談交渉サービスが付いていないため、事故が起きると貴方が動かなくてはならないケースが考えられます。
え?保険会社が被害の相手に電話したりしてくれないの?と思った人も多いことでしょう。保険会社は示談交渉サービスが付いていないと、被害者との交渉が出来ないのです。
では誰が被害者と交渉するの?となりますが、事故を起された貴方または代理人になります。その時、普段から業務で忙しい貴方は被害者と交渉できますでしょうか?
代理店が事故発生から示談までのお手伝いを保険会社の示談代行が無い状態でするのは、実態上とても負担が掛かるものなのです。
よって特に事業向けの賠償責任保険で当社代理店が気を付けているのは、事故が起きた時に契約者が協力してくれるだろうか?事故を多発する契約者ではないか?という点です。
今までの経験上、事故をしてもその後(示談完了まで)は手の掛かることは保険会社(代理店)に全て任せてしまえと考える契約者も少なくありません。またこのようなお金を払っているのだから当たり前だろうという考えの契約者(お客さま)とはいずれ縁が切れてしまうケースが実態上100%(当社の場合)です。契約者の中では負担が掛かる上に、契約もいつか無くなるのなら、当社から見るとどんなに大型契約であったとしても良い顧客とは言えませんので加入時に見極めているのです。
ですので、当社では保険加入を希望している事業主様は、事故を起こしても協力してくれるだろうか?信用できるか?を見ています。お電話口での言葉遣いや態度、メールでのやり取りの文面を見ています。例えばお問合せのお電話にて乱暴な言葉を使われたら、契約が始まる前からこれではと考えて即刻、お断り対象となります。初めて話をするのにたばこを吸いながら話してないか?ガムを噛んでないか?営業時間外に平気で電話をしていないか?などを確認していますので、フランクな話し方は問題ないですが、最低限のビジネスマナーができていませんとその先には進まないと考えてください。
- 事業社の売上高で断られた場合は
企業向けの賠償責任保険は年間の売上高が保険料算出するための基礎数値となりますので、年間の売上高によって1年間の保険料が変わってきます。代理店も営利企業ですから契約管理などに掛かる経費とお客様からいただく保険料からの代理店手数料と事故が起きた時のデメリットや手間の採算が合うのか?照らし合わせます。契約者(お客さま)の売上高が低いと保険料も低くなります。そこで代理店手数料、契約管理に掛かる経費、事故を起こされた時の手間を考えます。
割に合わないと判断したそんな時は「賠償責任保険」の他に「労災上乗せ保険」や「動産総合保険」「社有車の自動車保険」「事務所の火災保険」など当社で複数の契約をいただくことにより、お引受けを検討できる可能性が高まります。
事業向けの損害保険は1つにまとめる方が契約者も保険の代理店にも契約管理上それぞれメリットがあるといえます。
- 他社で損害保険のお引受け継続契約を断られた場合は
他の保険会社や代理店でお引受けや継続を断られた場合は、断られた理由にもよりますが、当社でもお引受けできる可能性は低いです。上記と同じく「賠償責任保険」の他に「労災上乗せ保険」や「動産総合保険」「社有車の自動車保険」「事務所の火災保険」など当社で複数の契約をして構わなければお引受けを検討できる可能性があります。
確定申告をしていなくて断られた場合
確定申告をしていない個人事業主様でも売上高がきちんと確認できれば保険の加入は出来ます。新規事業では昨年の売上高がありませんので「事業計画書」(フォーム問わず、弊社に見本のフォームがあります。)を提出することによって確認資料としています。
一方、新規事業ではないのに税金逃れのために確定申告をしていない個人事業主様がおりますが、これはモラルが低いと判断してお引受けをお断りしています。
保険代理店が遭遇しているモラルの低い契約者
- 元請けから保険証券の提出を求められた為に損害リスクに備えるという本来の保険加入が目的ではなく保険証券のみを発行させる
保険契約の目的が「元請けに保険証券を提出する事」である場合は保険料を払おうとせず、契約後に一切連絡を取ろうとしない質の悪い個人事業主がいます。
- 過去の事故を隠して加入しようとしてくる
過去に事故を連発して保険会社に継続をお断りされたが、事故は無しとして契約をしてくる事業者もいますが、これは告知違反になります。このような契約者は後々トラブルになります。そんな個人事業主もいますので、特に注意をしています。(法人の場合はこのようなケースは皆無です。)
保険くらい何時でも何処でも加入できるだろうと考えている事業者は少なくありません。しかし、引受ける側(我々代理店)は飛び込み契約でも誰かからの紹介でも常に何故加入をしたいのか?を注意をして見ているものなのです。
これを見ている事業者の皆さまも同じかと思います。例えばリフォーム工事の仕事を請け負ったけど、後々に理不尽なクレームを付けてきそう、または、工事費の回収が出来なさそうそんなお客さまも一定数いるでしょうから気を付けていて見極めますよね?
保険の代理店も同じです。安易に契約を引き受けてしまうとデメリットが発生する恐れがあるので契約が欲しいからとやみくもに保険契約を交わすことは無い(当社の場合)と言うことになります。
保険代理店はこの契約をすると逆に不利益にならないだろうか?と常に考えています。
高い信用ハードルとハードル超えの対策とは?
結局、ビジネスとはお互いの信用で成り立っているものですから、お互いが信用されるような事業者でなくてはなりません。
高い信用ハードルを超えるには?
- 個人事業主は法人よりモラルのリスクや信用度が低く見なされる
- 安定収入や財務状況の証明を求められる
- 過去に事故やトラブルがあると加入が難しい
ハードル超えの対策は?
- 事業計画書や決算書などの資料を準備する
- 過去の事故やトラブルがないことを証明する、または事故があった場合は再発防止策を作成し代理店に提示する。
- 代理店に相談し、加入条件を満たす方法を検討する
最近では、事業者がSNSを活用されることも多いので、事業を立ち上げたらFacebookやInstagramなどを始める等を実行されて、事前の準備と自社が怪しい事業者ではないという証明をすることで、高い信用ハードルを克服しましょう。