損害保険料の基礎となる初年度の売上高セットについて

初年度の売上高セット

弊社はサラリーマンを辞めて独立したての個人事業主(特に建設業)の皆様からお問合せを多くいただきます。

開業間もない個人事業主の皆様は、これから夢を追い続けて自分がどこまでやれるだろうとか、法人成りできるだろうか、従業員を雇って規模を拡大したいけどできるかな?等さまざまな不安を抱えておられることかと存じます。私(高倉)もそうでしたが、勤めてきた会社を辞めて独立したときには様々な不安を抱えて一方では将来の自分の姿を思い描くことをしていました。そんなサラリーマンを辞めてまで独立開業した皆さまには是非とも成功してください!という強い思いがあります。

そんな中、はじめたばかりの事業者から損害保険の加入について昨年の年間売上高が無い場合の次のような質問を多く受けます。

  1. 独立したばかりの事業者で、来月から仕事をスタートします。なので昨年度の売上高がありません。この場合は何をもって売上高の報告とすれば良いのか?
  2. 独立したばかりの事業者です。仕事をスタートして10ヵ月になります。この場合はどうなりますか?

1についての回答は事業計画書に記載のある売上高の目標数値を確認資料とさせていただいております。

2についての回答は売上台帳などによる数値を報告頂き次の計算式としています。

((10ヵ月の売上高)÷10ヵ月)×12ヵ月=○○○万円

例として、10ヵ月の売上高が900万円の場合、

(900万円÷10ヵ月)×12ヵ月=1080万円

最近、1の独立したばかりの事業者からこんな声がありました。

「保険料って売上高で決まるんですよね?そうであれば、初年度の売上高は目標数値になるのだから目標数値を極端に低く年間100万円の売上高として報告しても良いって事ですね。それなら志の高い事業者が目標数値を高くセットしている年間売上高2000万円等としたなら損をする事になるので不公平じゃないですか?」

おっしゃるとおりです。ですが、弊社の場合は売上高をあからさまに低く100万円等とセットしてもお引受けをしません。最低でも年間売上高の目標数値は500万円以上ありませんとご案内をしないようにしています。事業の仮に売上高目標数値を500万円としたとしてもご案内できるとは限りません。

弊社としては、事業が長く続きそうで長期にわたり、お互いが良いお付き合いのできそうなお客様を選別してご案内、お引受けをしております。よって

  • 事業計画が曖昧すぎる事業者
  • 短期的な仕事で短期の損害保険加入を考えている事業者
  • 本業ではなく副業に損害賠償保険を掛けたい事業者
  • 仕事の取組みや考え方が前向きではない事業者

等は独自の判断でご案内をしておりません。

これとは逆に、次のような事業者様は損害保険のお引受けがしやすくなります。

  • 事業計画が第三者から見てしっかりとしている事業者
  • 仕事を長期にわたり計画を立てている事業者
  • 開業前に取引先や協力会社との仕事関係が明確である事業者
  • 言葉遣い、メールの内容が丁寧

事業を起こしたのなら、金融機関から借り入れを行うことがあるかも知れません。取引先との関係で事業計画書の提出を求められる事は損害保険契約に限らずあるはずです。事業計画書からその事業が上手くいくのかいかないのか?を第三者が見る指標になりますので、できるだけ事業計画はしっかりとしたものを用意しておいた方が良いと思います。