飲食業の損害保険ってどのような種類があるのでしょう?飲食店には仕事中の賠償リスクや事故に伴う利益の損失が考えられます。その他には火災や盗難などが起きますと大きな損失が考えられますので、そのような損害リスクにはあらかじめ損害保険の加入をおすすめします。
料理飲食店の賠償責任補償(PL保険)と利益補償について

最近は料理飲食店(ラーメン店、喫茶店、和食、洋食など)の皆様から賠償責任保険についてのお問合せが多くなりました。お問合せをいただいた飲食店をWEBで調べますと某有名なポータルサイトで3.5以上の評価点が付いている飲食店からもお問い合わせをいただいております。
このような評価の高い料理飲食店ほど損害保険に対する意識も高いのかな?と思いました。また、何か起きた時のために、お店の評価(点数や口コミ)が下がらないようにするためも損害保険を必要とされていると言えます。
料理飲食店の皆様からお問合せで多いのは圧倒的に生産物賠償責任補償(PL保険※)です。つまり食中毒を出してしまった場合の補償が欲しいという問合せがほとんどです。このPLの補償だけが必要という声が多いのですが、飲食店の場合、果たしてPLの補償だけで大丈夫なのでしょうか?
※PL保険とは、製造業者等が製造または販売した製品等が原因で、他人にケガをさせた場合などに、事業者が法律上の損害賠償責任を負担する場合の損害を補償する保険です。
飲食業に必要な生産物賠償責任補償(PL保険)と施設賠償責任補償の他には?
- 生産物賠償責任補償(PL保険)
- 施設賠償責任補償
- 店舗の火災保険
飲食店はテナントが多く、賃貸契約と同時期に火災保険に入ることが多いです。この火災保険の特約で施設(店舗)賠償責任保険という特約があります。この施設(店舗)賠償責任保険特約では「料理を配膳の際に、誤ってお客様にこぼしてしまい火傷をさせてしまった。」「お店の床の掃除をした際のふき取りが不完全だったため、お客さまが足を滑らせて転び、大ケガをさせてしまった。」こんな事故が対象となると思われます。
料理飲食店のオーナー様の損害保険は、施設(業務)賠償責任保険と生産物賠償責任保険が代表的ですので、まず必要になりますが、この2つの補償を入っていれば大丈夫でしょうか?実は、これだけでは足りないのです。
火災保険に付帯出来る休業損害補償
料理飲食店のオーナー様へこんな事故が起きてしまったらいかがでしょうか?例えば、
- 食中毒が発生したため、保健所から営業停止命令を受けて、しばらく休業することになった。
- 火災が発生してしまった。復旧するにあたり3ヶ月間営業が出来なかった。
- 風災や水災により店舗が損失。復旧までしばらく営業が出来ない。
上記1のような食中毒の顧客への補償は生産物賠償責任補償(PL保険)で対象にはなるものの、ご自身の店舗が営業活動できなくなった時に発生する金銭損失のリスクはいかがでしょうか?
また、上記2や3のように営業利益の損失が数ヶ月続いてしまうと、従業員への給料や家賃など固定費の経費はどこから捻出するのか?という問題に直面します。
災害が起こりそこから波及した損害が発生しますと、事業者は大きな損失となる恐れがあります。こんな時に役に立つのが利益補償の損害保険(休業損害補償)なのです。
様々な損害賠償リスクに備えて総合型の賠償責任保険がおすすめ

火災保険の特約で付帯できる施設(店舗)賠償責任補償特約では、貴社さまのお客さま等へ補償出来る内容が限定的になります。
料理飲食店の損害リスクには、他にも、
- 賃貸店舗で火災を起こしてしまい、契約に基づき修理費用を支払うこととなった。
- 食中毒の原因を調べるために検査を行った。
- 事故発生後、今後の対処について弁護士に相談した。
- お客さまから預かっていた上着を誤って汚してしまった。
- お客さまを無銭飲食と間違えて警察へ通報してしまい、慰謝料を支払うことになった。
料理飲食店にはこのような事故もあり得ますので、賠償責任の補償は火災保険の特約にせずに、上記事例に備えて総合型の賠償責任保険の加入がおすすめです。
料理飲食店の従業員・店主本人の補償
料理飲食店経営は、人材確保の問題だけでなく、店主が病気や怪我で働けなくなったり、その従業員が仕事中に怪我を負ったなどの事故が発生すると、損失の発生する恐れがあります。
店主が病気や怪我で働けなくなった場合、身体が復活するまでお店を閉めることになったとき、収入がなくなるだけでなく、賃貸料などの固定費は発生します。
一方、従業員が仕事中に怪我を負ったりしますと、社会的にも補償が必要となることでしょう。
このような店主ご本人のリスク、従業員のリスクについても損害保険をご用意されることをおすすめします。
料理飲食店のオーナー様向けの損害保険は結局何が必要?

料理飲食店を経営されている経営でおすすめの損害保険をお知らせします。もちろん、料理飲食店それぞれの状況によっても異なりますが参考としてご覧ください。
想定される損害リスク | 保険商品 | |
---|---|---|
賠償責任(生産物賠償責任PLなど)リスク | 統合賠償責任保険ビジサポ | 事業をおまもりする保険 |
火災リスクや店舗休業リスクや食中毒の利益補償 | 企業財産総合保険ビジネスプロパティ | |
従業員が仕事中の怪我リスクや店主本人の所得減少リスク | 労災あんしん保険(従業員への補償) | 働けないときの保険(店主本人への補償) |
生産物賠償責任補償(PL保険)などの損害賠償責任リスクであれば、弊社がおすすめするのは
- 統合賠償責任保険ビジサポ
- 事業をおまもりする保険
のどちらかになります。
これとは他に店舗の火災や風災、水漏れ事故リスクやお店が開けられないことによる休業損害リスクなどが心配でしたら
- 企業財産総合保険ビジネスプロパティ
従業員のお怪我や代表者の病気や怪我による所得の補償が心配でしたら
- 労災あんしん保険(従業員がいる場合)
- 働けないときの保険
これらを上手にセットすることにより、安心を得られます。
料理飲食店オーナーの皆様は生産物賠償責任補償(PL保険)だけを気にされる事業者さまが多いのですが、損害リスクはPLの補償だけではありません。規模にもよりますが、PLの他にもセットしなくてはならない補償もあるかと存じます。
たった1回の事故によって、大きな金銭的損失となってしまうと、お料理をお客様に提供し、そこで得られる利益は何十人、何百人からのお客様から得られる利益と金銭的損失が引き替えとなってしまわないように損害保険を用意しておきましょう。
また、飲食業の損害リスクには様々なケースが考えられますので、損害保険を掛けるときは付保漏れや特約の付け忘れなどがないようにしっかりとプロの専門家と相談されることをおすすめします。
事例のご紹介①フランス料理店の場合

- 従業員の構成
社員3名、アルバイト10名
加入をいただいた損害保険
- 統合賠償責任保険ビジサポ(施設業務特約、生産物特約)
- ビジネスプロパティ(休業損害補償特約あり)
- 労災あんしん保険
フランス料理店を複数経営されているA様は、統合賠償責任保険ビジサポの他に、賃貸店舗の火災保険をビジネスプロパティ、従業員の怪我のリスクは労災あんしん保険のご契約をいただいております。
尚、水漏れ事故による賠償事故の他、風災による什器・備品の損害、従業員の退勤途中怪我などの全ての保険を使用した実績があり、保険が出て助かったと喜んでくださっております。
事例のご紹介②ラーメン店の場合

- 従業員の構成
店主+奥様、アルバイト3名
加入をいただいた損害保険
- 事業をおまもりする保険(施設業務特約、生産物特約)
- ビジネスプロパティ(休業損害補償特約あり)
- 働けないときの保険
ラーメン店を1店舗経営されているB様は、小規模事業者だけに店主のB様が常に忙しく、損害保険の検討にはあまり時間を掛けたくありません。そんな状況からWEB完結型の付帯サービスもある事業をおまもりする保険と働けないときの保険、賃貸店舗の火災保険はビジネスプロパティ。休業補償と自動付帯される食中毒利益補償で更なる安心のご契約をいただいております。
奥様がご病気でお仕事から離脱された際に、奥様が加入されていた働けないときの保険から月額20万円が支払われたときは大変喜んでくださりました。