賠償責任保険の保険金額

仕事向け賠償責任保険の対人、対物の保険金額

仕事向け賠償責任保険の保険金額は企業のリスクや考え方によって保険金額はバラバラです。

自動車保険の保険金額

自動車保険の対人、対物の保険金額

自動車保険の対人、対物賠償責任保険は無制限がほとんどです。

事業者の考えられる対物賠償事故について

統合賠償責任保険ビジサポの保険金額のセットの仕方についてお伝えしたいと思います。仕事向けの賠償責任保険ですが、事業者の皆様はまずは対物事故を想定されることでしょう。

例えば下記のような対物事故のケースです。

建設業の場合 内装工事の作業を行っている壁を誤って壊してしまった。 損害額20万円
組立工事業の場合 作業員が業務用エアコンを運んでいる際、落下してに、エアコンと室外機を破損させてしまった。 損害額40万円
土木工事業の場合 工事案内の看板が倒れてしまい、通行中の自動車にキズをつけてしまった。 損害額30万円

このような賠償事故が考えられるので、加入する賠償責任保険の保険金額は「保険金額は1000万円で良いかな?」というお客様もいますが、もしもの際に保険金額1000万円で足りるでしょうか?

損害賠償事故は高額賠償となるケースがあり、そうなりますと保険金額1000万円ではとても足りないという事が考えられます。例えば下記のケースです。

考えておかなければならない人身賠償事故

建設業の場合

工事中に足場が倒れ、通行人に重い後遺障害をあたえてしまった。

損害額1億円
組立工事業の場合

工事後、電気配線工事に不備があり、ショートして失火、周囲の建物を焼損させてしまった。

損害額4,000万円
土木工事業の場合

工事現場を囲む柵が開いていたために、子供が工事現場内に入り込み、竪穴に落下して重度の後遺障害を負ってしまった。

損害額7,000万円

このような事故になりますと賠償金額はいくらになるのか分かりません。被害者が人であれば損害賠償金は1億円を超えることもあるでしょうし、火災事故となればこれまた大変な金額になる事が考えられます。一生働いても返済できないとならないように仕事向けの賠償責任保険の保険金額は高額でセットされることをおすすめします。

尚、弊社では統合賠償責任保険ビジサポの保険金額について1億円(共通支払限度額割引を適用し対人、対物は同額)を基準としてご案内をしております。

事業者の落とし穴?ハインリッヒの法則について

ハインリッヒの法則をご存知でしょうか?

ハインリッヒの法則

1件の重大なトラブル・災害の裏には、29件の軽微なミスと300件のヒヤリ・ハットがあるとされています。
出典:ウィキペディアより

ハインリッヒの法則とは、労働災害における経験則の一つで、「1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり、その背景には300件の異常(ヒヤリ・ハット)が存在する」というものです。

言い換えると、大きな事故が起きる前に、小さな事故やヒヤリ・ハットの兆候が現れているということです。

この法則は、アメリカの損害保険会社の安全技師であったハインリッヒ氏が、1931年に発表したものです。ハインリッヒ氏は、10年間の工場における労働災害データを分析した結果、この法則を発見しました。

ハインリッヒの法則について、当時とは労働安全衛生に係る背景が異なるため、その比率をそのまま現在に当てはめることはできないかもしれませんが、いずれにせよ事故として認知されている件数はごく一部であり、重大な事故や災害の背景には、そこまでに至らなかった軽微な事故やヒヤリハットが多数存在していることを示唆しているのです。

正常性バイアスとは?

正常性バイアスとは?

人間には、自分が起こりうるリスクを遠ざけて考えてしまう傾向があり、これを正常性バイアスと言います。正常性バイアスとは、認知バイアスの一種で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりするという認知の特性のことです。

弊社サイト運営者である高倉が、賠償責任保険の保険金額について、お客さまから次のような言葉をいただくことがあります。

  • 清掃業なのだから、賠償責任保険の補償金額は1000万円もあれば充分です。
  • 内装業ですが、私たちの仕事では事故を起こしても大きな金額になったことはありません。せいぜい20~30万円程度です。
  • 設備工事業の仕事の事故というのは、せいぜい取り付けたエアコンを落として壊してしまったりエアコン全交換となったとした事故でも100万円にもなりません。

​はい、それらは私(ブログ運営者の高倉)が事業者に言われなくても分かっていることなんです。

例えば、清掃業の場合こんなヒヤリハットがありました。高等学校の窓ガラス清掃の際に3階のガラスが清掃時に破損してしまい、危うく自転車置き場に落としそうになってしまった。この時、実際に窓ガラスが落ちてしまい自転車置き場にいた生徒に窓ガラスが当たってしまったらどうなっていたことでしょう?

生徒が怪我を負うときに、状況によっては窓ガラスが頭に接触して後遺障害を負ってしまうかもしれません。切り傷程度で終わるかもしれません。これはその時の事故状況によるものなのです。

事故は上記にあるハインリッヒの法則からも小さい損害となる事故がほとんどなのです。小さい事故の中には可能性は低いのですが、1件重大な事故となるリスクが隠れていますので、事業者の皆さまはこのハインリッヒの法則を理解し、ご自身が正常性バイアスになっていないか?をよく考えましょう。