事業者は「働けないときの保険をご検討ください!

働けないときの保険とがん治療

このブログ記事では、教えて!損害保険代表の高倉が実際に働けないことになった時に感じたことや困った経験も含めて書いていきますので、この記事は、給与所得者ではなく、私と同じ事業者の皆さまに参考になるかと思います。

私、高倉は45歳のときに「甲状腺のガン(悪性新生物)」に罹患していることが確認できました。どうしてがん(悪性新生物)が見つかったのか?というと45歳という節目に妻が「ペット検診」の申込をしてくれて、ペット検診終了後にガン(悪性新生物)が発見→翌々月に手術となりました。

自覚症状がほぼなかったのでその時は信じられない程の驚きと、死への覚悟とかなりの精神的ショックをうけましたが、今では完治となり、病気が原因で健康への意識や実践により治療前よりもむしろ健康となり仕事も復活し、現在では日々何も無く幸せに暮らせております。

がんに罹患したころの当時、一番困ることとして頭をよぎったのは「収入の減少」の事でした。何故、収入が減少を心配したかと言うと長期のがん治療と向き合う為には、仕事と治療のバランスを考えて仕事の量は減らす必要があると直感したからです。

すぐに死ぬことはないだろう。だけど長期治療となるために、治療費もどれだけかかるのだろう?と心配になりました。

収入の減少に備え所得をカバーできる保険が重要

仕事量の減少=収入の減少。しかも支出の増加。環境を変えるためには支出の増加が考えられる。お金が耐えられるか?

費用として掛かったのはこのがんの治療費の他に、食事を気を付ける(添加物を避ける)為にナチュラルな食材摂取のための食費にかける費用の増加、ストレスなくリフレッシュすることが必要になりますが、その為にはお金がかかります。がん(悪性新生物)は熱に弱いことを知ったので定期的な温泉療養(湯治目的)などにお金を掛けました。費用支出がある一方、私の場合、収入の減少の他にこれらの費用の数百万円は入っていた保険で何とかカバーできたのです。

今の貴方のお仕事を想像してみてください。もし貴方が長期の「がん治療」となったらいかがでしょうか?治療に専念するために、仕事をセーブするのではないかと思います。仕事をセーブするイコール、収入が減るということは想像できませんか?

よくがん治療にはお金が掛かると言いますが、治療の方法にもよります。健康保険で使える三大治療(手術・放射線・抗がん剤)治療では治療費は大きな出費とはなりません。私の場合はがんの摘出手術だけでしたので、全ての治療費には健康保険を使えた関係で当初考えていたよりもお金は掛からずに、トータルの出費は50万円以下と理解しています。

がんに罹患して、掛かった(掛けた)費用の内訳

  1. がんの治療費(入院、手術費用、交通費、雑費含む)→トータル50万円以下
  2. 食生活の改善(添加物の無いナチュラルな食材の摂取や健康食品・サプリメントの摂取)→1か月に約3万円~5万円食費の上昇。現在に至るまで
  3. 温泉療養→初年度50万円。2年目以降は旅行目的として定期的に
  4. 収入減少→初年度約200万円以上

がんにはお金が掛かるとよく言われますが、私の場合は掛かるお金掛けるお金間接的にかかるお金の3つがありました。上記1のがん治療は掛かるお金、2と3は掛けるお金、4は間接的にかかるお金となります。

事業者の皆様に注目して欲しいのは4の収入減少。がんを経験して体に負担が掛からないように生活をした結果、収入減少が一番大きなお金となったことです。

民間の保険制度の活用について「がん治療の経験者」でないと分からないこと

ユーチューブ動画やブログ記事、がんと保険に関する情報には誤った情報が沢山紛れ込んでいると思います。

何故、誤った情報があふれているのか?それは簡単なことで、がん治療を経験した事が無い人が保険に関する事を簡単に発信しそれを対価にしているからに過ぎません。

例えば、がん保険や医療保険は必要ないというインフルエンサー、投資系ユーチューバー、保険営業をかじったことのある元保険営業経験者。お若い方が「民間の保険が必要ない」とおっしゃっている人がいますが、実際に困ったことがない人に何が分かるのでしょうか?

確かにがんに罹患しても、既にあり余る資産を形成している人であれば保険は必要ないとおもいますが、特に事業者やまだ資産形成をしていない人は民間の保険を活用することが必要なのです。

あの、TVでも有名な男性の「〇〇ゆき」さんも民間の保険は必要ないと言っていますが、資産のある自分のいような人には必要ないという事なのかと思います。民間の保険は必要ないという発言は、病気や怪我で収入が無くなった時点で経営のピンチとなる事業者と一方では病気や怪我で仕事を休んでも会社の福利厚生や公的補償の手厚いサラリーマン、つまり保険が必要な人とそうでない人と全てがごちゃまぜになっている発言となっていますので事業者の皆様はこの点に注意してください。

他にもYouTuber「中〇敦〇」さんも生命保険は必要ないといっています。保険不要論は大病をされても、数千万円程のあり余るお金がある人以外には信用するに足りない情報として語ってもらいたいものです。一般的に富裕層は日本人のごく一部です。

あの有名な人が言っているのだから、間違いないだろうという思い込みには気を付けてください。人があまり言わない発言で目立ちたい彼らの状況と、事業を営む自分の事はよく分けて考えましょう。そして専門的な情報は有名インフルエンサーよりも専門家の情報発信の方が正しい情報であることは言うまでもありませんので、どうか事業者の皆様には誤った情報には注意をして欲しいものです。

尚、日本に保険という考え方を持ち込んだのは、慶応義塾大学の創始者である福沢諭吉です。保険制度について、次のように説明しています。「災難請合とは、商人の組合ありて、平生無事の時に人より割合の金を取り、万一其人へ災難あれば、組合より大金を出して其損亡を救ふ仕法なり。其大趣意は、一人の災難を大勢に分ち、僅の金を棄て大難を遁るゝ訳にて、譬へば今英吉利より亜米利加へ一万両の荷物を積送るに二百両斗の請合賃を払へば、其船は難船するとも、荷主は償を取返すべし。」「災難の請合に三通りあり。第一 人の生涯を請合ふ事。第二 火災請合。第三 海上請合・・・」

この三通りの災難請合は現在の生命保険、火災保険、海上保険を指しており、これが西洋保険思想の最初の紹介となり、現代の民間の生命保険制度が出来たという経緯があります。皆で少額なお金を出し合い、万が一の際には災害を受けたものが現状復帰の為に受け取るという福沢諭吉が作った制度にたいして、現代では目立ちたい有名インフルエンサーがこれを否定する(逆説的で目立つことが目的)という構図となっております。

大きな災害や大病を得た人には特に保険制度の重要性が分かるのです。特に事業者さまには、保険制度の重要性について大災害や大病となる前に気が付いて欲しいものです。

働けないそんなときに保険に入っていて助かった事とは?

がん診断書

私は保険の代理店であった為、次のような保険にしっかりと入っておりました。

  1. がん保険
  2. 医療保険
  3. 所得補償保険
  4. 死亡保険

がん治療に死亡保険からはもちろんは対象外でしたが、1~3の保険が全て対象となりました。治療開始して初年度、保険金が出たのは約300万円。このお金は非課税で受け取ることが出来たため、自分の好きなように使うことが出来ました。特に収入減収の補填に充てられたのは精神的によかったです。この300万円の給付金で主に使えたお金は次の通りです。

  • 収入減少の補填
  • 温泉旅行費用(湯治目的)
  • 添加物の無いナチュラルな食生活

給付金を受け取ることで精神的な気持ちの部分が楽になったのです。保険加入の安心により、お金には心配せず真剣に治療に向き合う事、そして生きる勇気や身体の復活にかける意気込みが上がりました。

私の場合、たまたまがんのステージがⅠで、手術のみの治療でしたから生活環境が一変してしまうほど、大変な事にはなりませんでした。

保険給付金300万円を利用してうまく使い切りましたが、がん治療の内容や、がんのステージによってはもっと費用が掛かっていたかもしれません。

中小企業は無保険だと一度の事故で会社が倒産したり、一度の事故で会社の財政基盤が弱くなるために保険に加入をしますが、この時の私自身を中小企業に置き換えて考えるなら、仮に、保険の加入がなければ高倉個人の貯蓄を切り崩すなどして、対応していたでしょうから貯蓄が減り続け、尚且つ治療に掛かる不安、がんの再発の不安、仕事復帰への不安を抱えながら過ごしていたのかもしれません。

給付金の受取りと、仮にがんが再発してもまた保険金で給付金を受け取ることが出来る事、一部の保険は払込免除となったおかげで将来への不安的要素がなくなり随分と精神的に楽になったのです。新たに、がん保険や大型の死亡保障が入れなくなってしまったものの、今加入している保険の安心は、いざとなった時の給付の他に、こんなにも精神的に楽になれることを身をもって思い知らさせれたのです。

健康への意識の高まりと仕事への取組み

健康への意識の高まり

ガンを経験しますと、何故ガンになってしまったのか?を考えます。食生活、睡眠、仕事や日常のストレス、喫煙など良くなかったのは何だろう?私の場合は40代でがんに罹患するのは早いですが、調べていくと例えば保険会社のデータのように日本人の2人に1人ががんに罹患するので自分がガンに罹患することは決して珍しいことではなく誰にも可能性があり、タイミングの問題なのだと考えました。

幸い、私の甲状腺乳頭がんのステージはⅠで予後もよく、一度の手術のみでその後は経過観察を続けているのですが、がんは転移してしまうと死に関係してくる病気なので今後も健康には十分な注意をしています。

治療をきっかけに喫煙もやめることになりましたので、現在では健康に気をつけてガンが再発や他の原発ガンとならないように気を付けています。

がんを克服し健康になると、不思議と生きていることに幸せ感じてくるものです。このまま死ねないという思いから仕事の量をストレスにならないように効率的に増やし続け、今ではがん治療の頃よりも2倍以上の収入となっています。

尚、人間は「無病息災」で病気を(全く)せず元気であることが幸せであるが、むしろ「一病息災」であった方が長生できる平成26年版厚生労働白書に記載されています。

「一病息災」とは「1つくらい病気があった方が、かえって体に気を付けるので健康でいられる、長生きできる」といった意味である。

結論として事業者はどのような保険に入るべきか

事業者が入る保険

結論として、事業者は収入が途絶えるリスク、収入が減少するリスクに対して保険で用意しておくべきです。

事業者はサラリーマンのように健康保険からの「傷病手当金」がありませんし、病気やケガで働けなくなると収入が全く途絶えるか、または減少してしまうことが考えらえます。また、三大疾病など大病となると、治療に専念することが考えられ仕事をセーブすることになるかもしれません。仕事をセーブすると収入が減ってしまいます。これらの収入減少のリスクを保険に転嫁させるのです。

私のような「がん経験者は新たにがん保険に加入することは出来ません」が、入れる人は健康なうちに入った方が良いといえます。

仮に私が健康な状態で「働けないときの保険WEB」に入るならば、次のように加入します。

  • 所得補償保険金額を自分で入れる最高保険金額(月額30万円など)にセット

理由→所得が途絶えるリスク、所得が減少するリスクに備える為。

  • 三大疾病一時金を100万円または200万円にセット

理由→長期治療となり、病院に掛かる費用の他にも様々なお金が必要となる為。

  • 補償期間(てん補期間)は3か月にセット

このように入るかと思います。

​補償期間(てん補期間)は3か月にする理由→補償を確保しつつ、保険料を抑えることができる為です。補償期間(てん補期間)を1年とすることも出来ますが、自分の仕事が家計収入の大きな柱となる事業者の場合1年の間も働けないケースは想定しづらく、がんに罹患したという人は良く聞きますが、もともとバリバリ働く事業者が1年もの間、お休みを取ることは聞いたことがありません。

働けないときの保険は働き盛りの人の為の補償ですので、終身補償ではありません。この他に終身の医療保険、がん保険(三大疾病一時金なども)の加入も検討してください。

どうぞ参考にしてください。