据付工事業の損害保険

今月のご相談事例などを紹介します。

産業機械運搬搬入据付工事業 三重県法人Y様

三重県の産業機械運搬搬入据付工事業のお仕事をされている法人のY様。個人事業主から法人成りをして間もないとのことです。

産業機械運搬搬入据付工事業なので、機械の据付までの車での運搬中の事故の他、作業中の事故や、作業引渡後の火災事故が起してしまったなどの賠償事故リスクや、設置中のミスによる機械の破損、据付中に落下し手や足を挟んでしまう従業員や協力会社(下請)の業務災害につながる特徴的な事故の恐れから、大きな損害リスクの可能性があるとの事でお問い合わせをいただきました。                   

弊社からは産業機械運搬搬入据付工事業向けに数パターンのお見積りを何度かご案内しながら社長様のご意見を伺いつつ補償内容と特約を調整し、ご契約をいただきました。お選びいただいた種目は損害賠償リスクに備えて統合賠償責任保険ビジサポ工事の保険、従業員や協力会社のおケガのリスクに備えて労災あんしん保険のご契約となりました。

機械運搬搬入据付工事業の賠償責任事故や労災事故にはどのような種類がある?

賠償責任事故とは、機械運搬搬入据付工事中に発生した事故によって、第三者に損害を与えてしまった場合に発生する事故です。主な種類と事例は以下の通りです。

  • 賠償責任事故の例
  1. ​機械を運搬中に車から積み荷の落下、機械の飛び出しによる機械の損害
  2. 搬入・据付中に機械の落下による機械の損害
  3. 機械運搬中の設備の破損や壁の破損、配管の破裂
  4. 据付中の誤動作、部品破損などによる機械の故障

労災事故とは、機械運搬搬入据付工事中に労働者が負った病気やケガを指します。主な種類と事例は以下の通りです。

  • 労災事故の例
  1. 運搬作業中、重い機械を持ち上げる、運ぶなどした際の腰椎捻挫
  2. 搬入・据付工事中の事故
    • 墜落・転落:高所での作業、足場の不安定
    • 挟まれ・巻き込み::機械に手足が挟まる
    • 熱傷:高温の機械に触れる

上記はあくまで主な例であり、これ以外にも様々な賠償責任事故や労災事故が発生する可能性があります。

労災事故には様々な事故の型があります。気になる事業者様は下記リンクの厚生労働省(職場の安全サイト)で労働災害の事例について、発生状況や発生原因そして対策をイラスト付きで紹介されていますので見てみましょう。

機械運搬搬入据付工事業に必要な損害保険とは?

据付工事業に必要な損害保険

機械運搬搬入据付工事業に必要な損害保険には、いくつかの主要な種類があります。機械運搬搬入据付工事業で必要とされる保険は、事故や不測の事態から事業主、従業員、第三者を保護するために重要です。必要な損害保険※は次の通りです。

  1. 賠償責任保険
  2. 建設工事保険
  3. 労災上乗せ保険※(従業員、協力会社(下請)がいる場合)
  4. 所得補償保険(個人事業主または小規模経営者の場合)

※社有車、事務所、会社特有の資産である機械の動産等の損害保険は除いています。

プロ代理店が損害保険特約の重要性を教えます!

据付工事業に必要な損害保険とは?

機械運搬搬入据付業に必要な損害保険を紹介しましたが、事業者(保険の契約者)が注意しなければならないのは、特約の重要性を検討しておくことです。せっかく損害保険に加入をしていただいても、その特約を付けていなかったので、「対象外事故で全額、事業者の負担」と最悪の事態にならないようにしておきたいところです。

例えば賠償責任保険において

  1. 据付工事中に運搬してきた機械自体に損害を与えた場合は保険は対象となる?
  2. 据付工事の引渡完了後に作業方法が悪くて機械自体と機械以外にも損害を与えた場合に、機械自体と機械以外の損害について保険は対象となる?

1と2の事故は保険で対象になるのかどうか?事業者様が分からないと存じますし、これら1と2の事故の場合は特約付帯の有り無しで保険金が払われる、払われないというケースになります。

 

損害保険には様々なリスクに応じた特約がありますが、一般の人には難しい名称、理解しにくい内容が多岐にわたります。そこで何の特約を付保するべきなのか?しないべきなのか?の線引きで悩まれる事業者様が多いのですが、判断のポイントとしては次の2つです。

  1. 少しでも特約の損害リスクがあるなら付帯する
  2. 特約がよくわからないなら、自分で判断せず専門家の代理店さんと相談

 

このようにすると良いでしょう。尚、弊社がお客様へ良くあるアドバイスのケースとしては、お客様が特約の付帯を迷ったら、付けておくようにおすすめしています。何故かと言えば特約をつけておくことによって、事故が起きた際にあの時、付けておいてよかったとなるからです。

 

続いて、それぞれ損害保険のおすすめ特約をご紹介します。

損害保険の基本補償と特約

据付工事業の損害保険基本補償と特約

おすすめの賠償責任保険の特約3選

機械運搬搬入据付工事業向け賠償責任保険の補償について、特約の付帯を選択するのは非常に大切です。契約者が「事故が起きているのだから加入している賠償責任保険で対象になるだろう」という安易な考え方は特約の付帯状況によって対象となる場合とならない場合がありますので注意が必要です。

機械運搬搬入据付工事業の事業者は、この補償内容はどのような事故が対象になるのか?を掴んでおくことも大切ですが、特約には専門用語が多く契約者がその特約を理解するのは、難易度が高いと思います。よって、専門家であるプロの代理店には、ある程度おまかせのプランニングをしてもらうと良いでしょう。

弊社がおすすめする賠償責任補償の特約は次の通りです。

賠償責任補償の特約 1 2 3
施設業務※1 対物超過復旧費補償特約 財物損壊を伴わない使用不能損害補償特約 被害者治療費等補償特約
生産物※2 生産物・仕事の目的物自体損壊補償特約 対物超過復旧費補償特約 財物損壊を伴わない使用不能損害補償特約

※1「施設の管理」「仕事の遂行」等に伴う賠償事故を補償するもの

※2 工事業者が行った仕事の結果が原因で、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりしたために、事業者が法律上の賠償責任を負担することにより被る損害を補償するもの

この他に、クレーム等対応費用特約がございます。

おすすめの労災上乗せ保険の特約3選

機械運搬搬入据付工事業の従業員や協力会社(下請)の皆さまへの労災上乗せの補償について、特約の付帯と選択は非常に大切です。よって、専門家であるプロの代理店に、ある程度おまかせのプランニングをしてもらうと良いでしょう。

弊社がおすすめする労災上乗せ補償の特約は次の通りです。

労災上乗せ補償の特約 1 2 3
賠償責任補償・費用補償 使用者賠償責任補償特約 雇用関連賠償責任補償特約 法律相談費用
怪我・業務上疾病の補償 入院・手術補償 休業補償特約 医療費用補償

労災事故で事業者が注意しなければならないのが、従業員と協力会社(下請け)の皆さまへの安全配慮です。万が一、お仕事中に後遺障害認定されるほどのお怪我を負った場合には損害賠償請求を受けることがありますので、賠償責任補償に関する特約は労災上乗せ保険にはマストです。

この他に、所得補償特約、天災危険補償、入院一時金特約などがございます。

おすすめの建設工事保険の特約

機械運搬搬入据付業の建設工事保険は、その事業者にとって必要か不要か見極める必要があります。よって、専門家であるプロの代理店に、ご相談されると良いでしょう。

弊社がおすすめする建設工事補償の特約は次の通りです。

建設工事補償の特約 支払保険金限度額増額特約 メンテナンス期間に関する特約

おすすめの所得補償保険の特約3選

機械運搬搬入据付工事業の所得補償保険は、個人事業主にはおすすめですが、政府労災などの他にも社会保障の充実している会社の従業員はその限りではありません。所得補償保険は社会保障の手薄い個人事業主向けになりますが、第三分野の医療保障や共済保障など他の補償等で重複していても多少、多く掛けておくのはむしろおすすめです。しかしながら、補償の掛けすぎにはムダが生じる可能性があり注意が必要となりますので、その事業者にとって、どの程度が適正になるのか?専門家であるプロの代理店に、ご相談されると良いでしょう。

弊社がおすすめする所得補償保険の特約は次の通りです。

所得補償の特約など 補償期間(てん補期間) 補償対象範囲 傷害による死亡・
後遺障害補償
おすすめの補償内容

3か月または1年

入通院・自宅療養
1000万円以上

この記事のまとめ

据付業に必要な損害保険

いかがでしたでしょうか?機械運搬搬入据付工事業に必要な損害保険※には上記のように4種類(法人は3種類)あると紹介しました。その4種類(法人は3種類)の中にある特約には多くの種類がございますが、全て必要という事ではなく、特約の必要度合いは事業者それぞれの状況や規模によって補償内容も変わります。

※社有車、事務所、会社特有の資産である機械の動産等の損害保険は除く。

尚、気になる保険料は、売上高、補償内容やオプション、補償金額、補償範囲、事業者のご年齢などによって異なります。具体的な商品や料金について気になった事業者さまは、弊社に直接相談されることをおすすめします。

損害保険のご相談について

今回、ご紹介をしました機械運搬搬入据付工事業のお客さまだけでなく、今月も多くの事業者さまからのお問い合わせをいただきました。個人事業主、または会社をはじめて間もない事業者さまや、損害保険に加入をしているけど今一度、見直しをお考えられている事業者さまは、今回の事例をご参考にされてみてください。

また、損害保険について気になる商品がございましたら下記リンクからお問い合わせください。プロ代理店が貴社さまのお悩みを解決します!