熱絶縁工事の損害保険

熱絶縁工事業 愛媛県法人A様

今月のご相談事例などを紹介します。

愛媛県の熱絶縁工事業のお仕事をされている法人のY様。個人事業主から法人成りをして間もないとのことです。

熱絶縁工事業なので、作業中の事故や、作業引渡後の火災事故を起してしまったなどの賠償事故リスク、設置のミスによる材料の破損、作業中に従業員や協力会社(下請)の業務災害につながる事故の恐れから、大きな損害リスクの可能性があるとの事でお問い合わせをいただきました。                   

弊社からは熱絶縁工事業向けに数パターンのお見積りを何度かご案内しながら法人A様のご意見を伺いつつ補償内容と特約を調整し、ご契約をいただきました。お選びいただいた種目は損害賠償リスクに備えて統合賠償責任保険ビジサポ工事の保険、従業員や協力会社のおケガのリスクに備えて労災あんしん保険のご契約となりました。

熱絶縁工事業の賠償責任事故や労災事故にはどのような種類がある?

熱絶縁工事業は、高い場所に設置された設備への作業や、高温・低温の環境下での作業など、特有のリスクを伴うため、賠償責任事故や労災事故が発生しやすい業種です。

 

賠償責任事故について

賠償責任事故とは、工事中に第三者に損害を与えてしまった場合に発生する事故です。熱絶縁工事業においては、以下のような事故が考えられます。

  • 落下物による損害→高所での作業中に工具や材料が落下し、下の階の人や物に当たってしまう。
  • 飛散物による損害切断作業などにより、破片が飛散して周囲の人や物に損傷を与える。
  • 火災・爆発による損害可燃性の断熱材を使用する際に、火花や静電気により火災が発生し、建物や設備に損害を与える。
  • 漏水による損害配管の保温工事中に誤って配管を傷つけてしまい、漏水が発生し、建物や設備に損害を与える。

労災事故について

労災事故とは、業務中に労働者が負ったケガや病気のことを指します。熱絶縁工事業においては、以下のような事故が考えられます。

  • 転落事故高所での作業中に足場が崩れたり、滑って転落したりする。
  • 墜落事故高所から落下物などを避けようとして、自ら飛び降りてしまう。
  • 挟まれ事故作業中に身体の一部が機械などに挟まれてしまう。
  • 熱傷高温の作業環境下で、火傷を負ってしまう。
  • 呼吸器疾患断熱材の粉塵を吸い込んで、呼吸器疾患にかかる。

労災事故には様々な事故の型があります。気になる事業者様は下記リンクの厚生労働省(職場の安全サイト)で労働災害の事例について、発生状況や発生原因そして対策をイラスト付きで紹介されていますので見てみましょう。

熱絶縁工事業に必要な損害保険とは?

熱絶縁工事業に必要な損害保険

熱絶縁工事業においては、高温・低温環境下での作業、高所作業など、特有のリスクが伴うため、万が一の事故に備えて適切な損害保険への加入が強く推奨されます。

必要な損害保険※は次の通りです。

  1. 賠償責任保険
  2. 建設工事保険
  3. 労災上乗せ保険※(従業員、協力会社(下請)がいる場合)
  4. 所得補償保険(個人事業主または小規模経営者の場合)

※社有車、事務所、会社特有の資産である機械の動産等の損害保険は除いています。

プロ代理店が損害保険と特約の重要性を教えます!

熱絶縁工事業に必要な損害保険

熱絶縁工事業に必要な損害保険を紹介しましたが、事業者(保険の契約者)が注意しなければならないのは、特約の重要性を検討しておくことです。せっかく損害保険に加入をしていただいても、その特約を付けていなかったので、「対象外事故で全額、事業者の負担」と最悪の事態にならないようにしておきたいところです。

例えば賠償責任保険において

  1. 工事中に使用材料自体に損害を与えた場合は保険は対象となる?
  2. 工事の引渡完了後に作業方法が悪くて素材自体と素材以外にも損害を与えた場合に、素材自体と素材以外の損害について保険は対象となる?

1と2の事故は保険で対象になるのかどうか?事業者様が分からないと存じますし、これら1と2の事故の場合は特約付帯の有り無しで保険金が払われる、払われないというケースになります。

 

損害保険には様々なリスクに応じた特約がありますが、一般の人には難しい名称、理解しにくい内容が多岐にわたります。そこで何の特約を付保するべきなのか?しないべきなのか?の線引きで悩まれる事業者様が多いのですが、判断のポイントとしては次の2つです。

  1. 少しでも特約の損害リスクがあるなら付帯する
  2. 特約がよくわからないなら、自分で判断せず専門家の代理店さんと相談

 

このようにすると良いでしょう。尚、弊社がお客様へ良くあるアドバイスのケースとしては、お客様が特約の付帯を迷ったら、付けておくようにおすすめしています。何故かと言えば特約をつけておくことによって、事故が起きた際にあの時、付けておいてよかったとなるからです。

 

続いて、それぞれ損害保険のおすすめ特約をご紹介します。

おすすめの賠償責任保険の特約3選

熱絶縁工事業向け賠償責任保険の補償について、特約の付帯を選択するのは非常に大切です。契約者が「事故が起きているのだから加入している賠償責任保険で対象になるだろう」という安易な考え方は特約の付帯状況によって対象となる場合とならない場合がありますので注意が必要です。

熱絶縁工事業の事業者は、この補償内容はどのような事故が対象になるのか?を掴んでおくことも大切ですが、特約には専門用語が多く契約者がその特約を理解するのは、難易度が高いと思います。よって、専門家であるプロの代理店には、ある程度おまかせのプランニングをしてもらうと良いでしょう。

弊社がおすすめする賠償責任補償の特約は次の通りです。

賠償責任補償の特約 1 2 3
施設業務 対物超過復旧費補償特約 財物損壊を伴わない使用不能損害補償特約 被害者治療費等補償特約
生産物 生産物・仕事の目的物自体損壊補償特約 対物超過復旧費補償特約 財物損壊を伴わない使用不能損害補償特約

特に「対物超過復旧費補償特約」は全ての小規模事業者・個人事業主の皆さまにおすすめします。理由として良くあるこんなケース。

業務遂行中に誤って冷暖房設備を壊して全損にしまった。ところが、その冷暖房設備は16年以上経過しているもので、原価償却率から時価額は10%程度しかない。新しく購入(原状復帰)するには100万円掛かるが、賠償責任は10万円となるので保険からは10万円しか払われないと言われてしまい差額の90万円をどうするのか困ってしまった。お客様の物を壊してしまった時に、原状復帰するには100万円するものを現在価値の10万円で勘弁してくださいとは言いづらいかと存じます。

大手企業であれば、差額の90万円は必要経費で処理してお支払いできても、小規模事業者・個人事業主の皆さまは大きな痛手となることが考えられます。対物超過復旧費補償特約はそんなときに役に立ちます。

この他に、クレーム等対応費用特約、サイバー情報漏えい事故補償特約等がございます。

おすすめの労災上乗せ保険の特約3選

熱絶縁工事業の従業員や協力会社(下請)の皆さまへの労災上乗せの補償について、特約の付帯と選択は非常に大切です。よって、専門家であるプロの代理店に、ある程度おまかせのプランニングをしてもらうと良いでしょう。

弊社がおすすめする労災上乗せ補償の特約は次の通りです。

労災上乗せ補償の特約 1 2 3
賠償責任補償・費用補償 使用者賠償責任補償特約 雇用関連賠償責任補償特約 法律相談費用
怪我・業務上疾病の補償 入院・手術補償 休業補償特約 医療費用補償

労災事故で事業者が注意しなければならないのが、従業員と協力会社(下請け)の皆さまへの安全配慮です。万が一、お仕事中に後遺障害認定されるほどのお怪我を負った場合には損害賠償請求を受けることがありますので、賠償責任補償に関する特約は労災上乗せ保険にはマストです。

この他に、所得補償特約、天災危険補償、入院一時金特約などがございます。

おすすめの建設工事保険の特約

熱絶縁工事業の建設工事保険は、その事業者にとって必要か不要か見極める必要があります。よって、専門家であるプロの代理店に、ご相談されると良いでしょう。

弊社がおすすめする建設工事補償の特約は次の通りです。

建設工事補償の特約 支払保険金限度額増額特約 メンテナンス期間に関する特約

おすすめの所得補償保険の特約3選

熱絶縁工事業の所得補償保険は、個人事業主にはおすすめですが、政府労災などの他にも社会保障の充実している会社の従業員はその限りではありません。所得補償保険は社会保障の手薄い個人事業主向けになりますが、第三分野の医療保障や共済保障など他の補償等で重複していても多少、多く掛けておくのはむしろおすすめです。しかしながら、補償の掛けすぎにはムダが生じる可能性があり注意が必要となりますので、その事業者にとって、どの程度が適正になるのか?専門家であるプロの代理店に、ご相談されると良いでしょう。

弊社がおすすめする所得補償保険の特約は次の通りです。

所得補償の特約など 補償期間(てん補期間) 補償対象範囲 傷害による死亡・
後遺障害補償
おすすめの補償内容

3か月または1年

入通院・自宅療養
1000万円以上
熱絶縁工事業の損害保険

いかがでしたでしょうか?熱絶縁工事業に必要な損害保険※には上記のように4種類(法人は3種類)あると紹介しました。その4種類(法人は3種類)の中にある特約には多くの種類がございますが、全て必要という事ではなく、特約の必要度合いは事業者それぞれの状況や規模によって補償内容も変わります。

※社有車、事務所、会社特有の資産である機械の動産等の損害保険は除く。

尚、気になる保険料は、売上高、補償内容やオプション、補償金額、補償範囲、事業者のご年齢などによって異なります。具体的な商品や料金について気になった事業者さまは、弊社に直接相談されることをおすすめします。

損害保険のご相談について

今回、ご紹介をしました熱絶縁工事業のお客さまだけでなく、今月も多くの事業者さまからのお問い合わせをいただきました。個人事業主、または会社をはじめて間もない事業者さまや、損害保険に加入をしているけど今一度、見直しをお考えられている事業者さまは、今回の事例をご参考にされてみてください。

また、損害保険について気になる商品がございましたら下記リンクからお問い合わせください。プロ代理店が貴社さまのお悩みを解決します!